バランススコアカード(BSC)
規模の経済や範囲の経済が優劣を決定づけていた工業化時代から、無形資産活用の優劣が競争力を決定付ける情報化時代に
変化することで、知的資産経営の必要性が高くなっています。
BSC(バランス・スコアカード)は、知的資産を財務的業績指標に関連付けることで、長期的競争力を築き上げようとする
力と財務会計モデルを固守しようとする力の両方を満足させるためのフレームワークです。
1.4つのマネジメント・プロセス
1)ビジョンと戦略を明確にし、わかりやすい言葉に置き換える。
目標は?、標的は?、どの様に業務プロセスを再構築すべきか?、訓練は?
2)戦略目標と業績評価指標を結び付け、周知徹底させる。
戦略目標を理解し、オペレーショナルな目標に置き換え業績評価に結び付ける。
3)計画、目標設定、戦略プログラムの整合性を保つ。
長期の成果と定量評価、必要な資源、短期の具体的数値
4)戦略的フィードバックと学習を促進させる。
変化を評価し、問題を解決する。
2.KGI,CSFとKPI設定
1)KGI(Key Goal Indicator)とは、重要目標達成指標のことであり、BSCでは、売上や利益など財務的
目標を示します。
2)CSF(Critical Success Factor)とは、重要成功要因のことであり、KGIを達成するための必要不可欠な
要因です。BSCでは、実行計画が該当します。
3)KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標のことであり、BSCでは、CSFの評価を
示します。
BSCは、KGIとCSF,KPIを関連付けることが重要となります。
KGIは、
"現状の延長では達成できない背伸びした目標"を立てる必要が有ります。目標を達成するためには、
イノベーションが必要となり、
イノベーションを実現することが経営革新に繋がります。
3.戦略マップの作成
戦略をBSCの観点にて、KGIとCSF,KPIを論理的な因果関係で結び付けることで、説得性のあるストーリ
ーが表現できます。BSCは、「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「人材と変革の視点」の4つ
の視点にCSFとKPIを落とし込む必要があります。
「財務の視点」:経営戦略の最終目標でありKGIとなります。
「顧客の視点」:ターゲットとする顧客に対して、価値を創造することが重要な要素となります。
「業務プロセスの視点」:顧客価値を創造するためのプロセスを改革することが重要となり、開発などの
「イノベーション」と生産やサービスなどの
「オペレーション」の2つに分類されます。
「人材と変革の視点」:業務プロセスの改革の基となるもので、
「人材」と「システム」、「業務手続」の3つが
重要となります。