(1)ゲージR&R(Gage Repeatability and Reproducibility)
ゲージR&RはMSAの中心となる手法です。ゲージR&R分析は、工程を評価するための測定管理精度に
ついて、測定者の違いによるバラツキ度合い(再現性)と同じ測定者が繰り返し測定した場合のバラツキ度合
(繰り返し性)の両面から評価を行います。ゲージR&Rは、要求される測定精度に対して、実際の測定精度
が許容されるレベルかどうかを定量評価します。例えば測定バラツキが±1gであっても要求範囲が1kg
から2kgでは問題ありませんが、10gから20gでは不十分と言えます。注意点として、評価用サンプル
の範囲により評価値が変化するため、規格の上限と下限を含む評価用サンプルを準備する必要が有ります。

JUSE-StatWorksより
(2)繰り返し性(Repeatability)
繰り返し性は同一のパーツを同一の測定者が数回測定したときのばらつきを意味します.繰り返し性の評価
はゲージR&R分析により行います。
(3)再現性(Reproducibility)
再現性は測定者間の測定値のばらつきを意味します.再現性の評価はゲージR&R分析により行います。
(4)安定性(Stability)
安定性は測定値の経時的なばらつきを意味します.安定性の評価は標準サンプルを一定間隔で測定し,その
測定値を管理図にプロットすることにより行います。
(5)かたより(Bias)
測定値の基準値からのずれ(かたより)を求め、工程変動、公差との比較で、その大きさを評価します。
(6)直線性(Linearity)
直線性は測定範囲内での、かたよりが直線上に並んでいるかどうかを評価します。
(7)Go/Out判定ゲージ(Attribute Gage)
良・不良のみを判定するような測定器に対する分析方法です。